3.水素は新規な抗がん物質として有望である
水素が抗がん効果を示すことを最初に報告したのは1975年のDoleらの報告ですので、研究の歴史は非常に古いです。しかし、水素が特に動物試験およびヒト臨床試験で抗がん作用を示すことが報告されたのは最近であり、これまで水素の抗がん作用については注目されてきませんでした。
水素は各種の細胞モデル、動物モデルおよびヒト臨床試験で優れた抗がん効果を示しました。また水素による抗がん効果のメカニズムも解明されつつあります。
水素の医療応用に関する論文の報告数は1,000報を超え、また、その中に含まれるヒト臨床試験の報告も80報を超えています。
水素は様々な疾患に対する有効性が高く、安全性の問題が無いことはこれらの論文からも裏付けられています。
がんに対する化学療法の分野で核酸医薬や免疫チェックポイント阻害剤などの新しい医薬品が開発されていますが、有効性や安全性に対する問題点は多いです。
従って、新規抗がん物質としての臨床応用により、水素はがんに対する新しい分野を開拓することができます。
(Miz株式会社プレスニュースより抜粋・全文はMizのホームページより)

MiZ株式会社は、カルフォルニア大学バークレー校および、慶應義塾大学・武藤佳恭名誉教授と共同で、「新規な抗腫瘍物質としての水素分子:遺伝子発現に基づくメカニズムの可能性」と題した総説論文を発表しました。
がんに対する薬物療法は重要な治療法の一つですが、効果や副作用の問題から満足できる結果は得られていません。がんは主として細胞内にある核の遺伝子変異により起こり、この変異を起こす「主犯格」は悪玉活性酸素のヒドロキシルラジカルです。水素はこの核内で生成されたヒドロキシルラジカルを消去することができるので、がんを退縮させることができます。著者らは、国際英文誌に掲載された水素の抗がん効果に関する動物試験や臨床試験の論文23報を調査して、水素が副作用のない新規な抗がん物質であることを示しました。また、同時に水素が遺伝子変異を改善してがんを退縮させるメカニズムを提唱しました。
本論文は、2021年8月13日にスイスを拠点する出版社・MDPIが発行する国際科学誌「International Journal of Molecular Science」(インパクトファクター: 5.9)で発表されました。
